骨粗しょう症は、日本人の約500万人が症状を持っており、潜在的なリスクを持っている人も含めると1000万人とも言われています。特に女性に多く、患者の90%は女性です。
骨密度は20代から30代に最大となり、その後はゆるやかに減少し、女性ホルモンが急激に枯渇する更年期から5-10年は急激に減少します。
骨粗しょう症になると、脊椎の圧迫骨折や大腿骨の頸部骨折をおこしやすくなり、これは寝たきりの原因では、脳梗塞などの脳血管疾患に次いで多い要因です。
車社会がもたらす運動不足や食生活の変化によるカルシウムの摂取不足などが最大骨量の低下をもたらし、更年期に女性ホルモンが低下すると骨吸収がすすんで骨粗しょう症をきたします。
治療には、骨吸収を抑制する製剤が用いられてよい成績をあげています。ただ、いったん減少した骨密度を回復するのは難しいため、検診で早期に兆候を見つけて、それ以上骨量が減少しないようにすることが大切です。
40を過ぎれば毎年1回は骨密度の検診をして下さい。また30歳頃、最大骨量を1度はチェックしておくのもよいでしょう。
骨密度検査は、手首やかかとの骨で測定する簡易法と、脊椎や大腿骨をDEXA法で同時に測定する方法があります。簡易法は、定期健診としては簡便で短時 間にできるメリットがありますが、治療が必要な状況ではDEXA法で脊椎と大腿骨の正確な骨密度をチェックしておく事が大切です。また、最近では尿中の骨 吸収マーカーが治療の指標として有用です。YAM(若者の骨密度の平均値)の70%を下回れば治療が必要です。