どの花もほんとに美しい!
『古今著聞集』という鎌倉時代の説話集に『春は櫻梅桃李(おうばいとうり)の花あり、
秋は紅蘭紫菊(こうらんしぎく)の花あり、皆これ錦繍の色、酷烈の匂なり』という言葉があるそうです。
桜は桜の美しさがあり、梅は梅の香りがある。桃は桃の彩りがあり、李は李の味わいがある。
それぞれ、そのままの姿に価値があり、その個性を生かして輝いていきましょうといった思いが
こめられているのでしょうか。
さて、個性豊かな美人姉妹ですが、みなバラ科の植物なのでよく似ていますね。
違いはどこにあるのでしょう。
「梅」 花びらがまるく、花が枝から直接咲いています。
花芽は一ヶ所から一つずつ咲いているのでお姉さんたちに比べると控えめな感じです。
葉は花が咲いた後に出てくるので、咲いているときには葉はありません。
「桃」 花びらの先が少しとがっています。
短い花柄があり、ひとつの花柄から二つずつ花芽がつくので梅に比べると華やかな印象です。
葉は花と同時に出るので葉がついていれば桃だとわかります。
「桜」 花びらの先がわれてハート型。さくらんぼの柄のような長い花柄が特徴で、
その先に花を咲かせます。枝と花の間にすきまがあるので立体的で枝からこぼれ落ちるように咲きます。
何気なく見ていた花たちもこうして違いを知るとおもしろいですね。
ちなみに、関西(本州より南)では、春になると梅、桃、桜の順に咲きますが、
北海道では一斉に花咲かせるそうですよ。
壮観でしょうね。行ってみたくなります。