vol. 18 乳がん検診と自己検診

最近乳がんの話題が多くみられますね。そこでみなさんに質問です。1)日本人女性の何人に1人が乳がんになりますか? 2)閉経すれば乳がんのリスクは 減りますか? みなさんの乳がんに対する認識はいかがでしょうか。回答は、1)現在日本人の約23人に1人が一生のうちに乳がんにかかります。2)最近 50歳以上の乳がんの増加が問題になっています。

まず知っていただきたいことは、日本人女性がんの第1位が乳がんであること。年間約4万が乳がんになり、約1万人が死亡しています。交通事故による死者 が約6000人(男女合わせて)ですから、1万人という数字のもつリスクの高さがお分かりいただけると思います。また、1975年には55.3人の罹患率 (10万人あたり)が、1998年には123.7人と増加しています。

日本では40代後半が最も発ガンが多い年齢層ですが、欧米では60歳以上がピークで、イギリスでは8人に1人、アメリカでは13人に1人が乳がんになり ます。これらは閉経後の肥満や遺伝子など様々なリスクファクターがあります。食生活の欧米化と車社会が進む日本でも欧米の数字に近づくことが予測されま す。

では、これほどリスクが高い乳がんの検診受診率をご存知ですか。残念ながら、日本の受診率は欧米に比べてはるかに低く、2002年度では12.4%です。(欧米では80%前後)
TVをみていると健康に対する意識は明らかに上がっていますが、乳がんは他人事と考えている方が多いのは不思議です。厚生労働省では、老人保健事業の一環 として乳がん・子宮がん検診を行っていますが、検診間隔は2年に1回になっています。しかし、日本の乳がん検診受診率の低さ(子宮がんも同様)を考える と、毎年の検診事業を続けていただきたかったですね。ちなみに、40歳以上の方には視触診にくわえてマンモグラフィーが導入されていますが、受入施設の不 足やマンモグラフィー解読スタッフ教育の問題など、今後の整備が必要です。

乳がんは自分で検診のできる唯一のがんです。乳がんの種類にもよりますが、腫瘤の大きさが2cm以内の場合、約90%で乳房温存手術が可能です。医療機 関での検診にくわえ月に1回は自己検診をしましょう。自己検診の時期は、生理のある方は生理終了日を目安に(乳房が柔らかく検診しやすいため)、閉経後は 自分で日を設定して下さい。コツは、お風呂に入って、乳房に石鹸をつけて4本の指をまっすぐ伸ばして円を描くようにします。

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