今回は上野にある鈴本演芸場で寄席を楽しんでまいりました。
12時半の開演から16時半までの長丁場なので、まずは腹ごしらえ。
江戸(?)といえばやっぱり「藪(やぶ)蕎麦」です。
藪蕎麦御三家のひとつ「池の端 藪蕎麦」へ。上野駅から数分のところにあります。
開店まで少し時間があったので、不忍池を散策。
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不忍池に群生する蓮は圧巻。 葉の上を渡っていけそうです |
緑の合間に桃色の蓮が顔をのぞかせていました。 梅雨空に映えて美しい!(6月下旬撮影) |
さて、急ぎ足で藪蕎麦に戻ると開店10分過ぎでしたが、ほぼ満席。さすがの人気店です。
なんとか座敷に席を確保して天ざる蕎麦を注文しました。あたりを見まわすと、常連客
とおぼしき白髪の紳士は科学雑誌を片手に、もう一方の手で蕎麦みそを舐めつつ、
そば前(お酒のこと)を嗜んでおられます。ぶらりと来て、蕎麦の前に軽く一杯。粋ですね。
菊正のみぞれ酒、そそられましたが寄席で寝ちゃうので今回は断念。
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老舗らしい雰囲気のある店構え。でも上野という土地柄でしょうか、気どりがなく一見客も快く迎えてくれました。。 | 海老や野菜の天ぷら盛りをイメージしていたのでびっくり。ほぐしていくと中から海老がゾクゾクでてきました。 |
藪蕎麦のつゆは、醤油の味が濃くて塩っからいのが特徴で、つゆはちょっとつけて食べる
江戸風になったそうです。落語「そば清」では「死ぬ前につゆをたっぷりつけて蕎麦を食
べたかった」といってこと切れる江戸っ子の話があるんですよ。
さて、やって来ました「鈴本演芸場」。
こちらは、安政4年(1857年・ちなみにペリーが浦賀に来たのが1853年)に上野広小路
に「軍談席本牧亭」という講釈場を開いたのがはじまりで150年以上の歴史があります。
切符売り場の上に寄席太鼓があるのがお分かりでしょうか。開場5分前に前座さんが
現われ、一番太鼓を打ち、続いて開演の合図の二番太鼓では、お客を呼び込むように
「お多福来い来い」、終演のはね太鼓ではデテケ、デテケ(出てけ)とリズムよく打
ちます。バチさばきが難しく、これが打てると前座さんも一人前なんだとか。
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昼の部は12時開場で16時30分終演 半日楽しめて、一般 2,800円はリーズナブル |
こじんまりとした会場。座先の後ろに引きテーブルがあり、お茶や弁当を飲んだり、食べたりOKでくつろぎモード。老若男女がつどい、285席はすべて満席でした。 |
この日の番組は落語が9席、その合間に、傘回しなどの太神楽曲芸、漫才、奇術、粋曲
(話芸と三味線)などなど、盛りだくさん。どれも磨かれた技と話芸で退屈しません。
なんといっても落語がすごい。ひとりで何役も演じ分ける落語家さんの語りだけで、
どんどん想像が膨らんで噺しの世界に引き込まれ、現実に目にするよりも、リアルに
場面が浮かびます。これぞ伝統話芸なんですね。落語に詳しくないものでも十分楽しめました。
さて、日暮れまでにはもう少し、ということで浅草寺へお参り。
夕暮れですが、海外からの観光客でごったがえしていました
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ここでやめておけば良かったのです…ついお御籤をひいてみたら、でた!!まさかの凶!
枯木という字が見えたのは覚えています。ショックで内容をしっかり読む気にもならず。
ちらりと下段に目を移すと、待ち人は来ない、探し物はでてこない、仕事はさんざん、
とひと言の救いの言葉もありません。がっくりして、境内に結んで帰りました。
後日談ですが、聞くところによると浅草寺のおみくじは凶が多いので有名でなんだとか。
凶がでたなら、後はのぼるだけ!と気を取り直して宿へと向かう編集人でした。