Vol.34 2010.10.04 子宮内膜症と子宮腺筋症

☆どんな病気?
子宮内膜とは子宮の内側をおおっている粘膜組織のことで、妊娠準備のために毎月、再生・増殖を繰り返し、妊娠しなければ生理として排出されます。これが生理の仕組みです。
子宮内膜症は、本来は子宮内だけにあるはずの内膜が子宮以外の場所(卵巣・腹膜、子宮筋層内など)で発生して増殖する病気です。とくに子宮筋層内に発症した子宮内膜症を『子宮腺筋症』と呼びます。卵巣内に発症すると、生理の度に血液が卵巣内に溜まり、子宮周辺の腹膜上に発症すると、腹膜表面に点状出血を起こし、癒着や不妊症の原因となります。

☆自覚症状は?
最大の自覚症状は生理痛。下腹部の痛みはもちろん、腰や尾てい骨あたりまで痛くなる場合があります。進行すると生理時以外でも下腹部痛や腰痛があったり、セックスや排便のときに痛みを感じることもあります。また、生理の量が増えて、貧血、倦怠感、めまい、頭痛、うつなどの症状がでるケースもあります。

☆検査と治療法
問診と内診、直腸診、経膣超音波検査で、ほぼ診断がつきます。必要に応じて腫瘍マーカー(CA125)や鉄欠乏チェックのための血液検査、CT検査、MRI検査などを行います。治療は、病気の進み具合や妊娠を希望しているかどうか、年齢なども考慮しながら選択します。薬物療法は、鎮痛剤や鉄剤や症状の軽減や病状の進行を遅らせるために、一時的に閉経状態をつくる薬や低容量ピルを使用します。手術療法は、子宮や卵巣を残しながら、癒着をはがしたり病巣をレーザーで焼いたりする腹腔鏡手術と、症状が進み出産を望まない場合は子宮や卵巣を摘出する開腹手術があります。

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