Vol.104 2016.08.01 更年期から始める寝たきり予防検査

日本産婦人科学会によると、12カ月以上、月経が来ない状態を「閉経」とし、
この閉経をはさんだ前後5年、計10年程度を更年期と呼んでいます。
日本人女性の平均閉経年齢は約50歳とされていますので、早い人で40台前半、
遅い人で50台後半が更年期にあたります。

更年期に現れる症状(更年期障害)には、よく知られる「ほてり」や「のぼせ」
をはじめ、「肌のたるみ」「しわ」といった外見上の変化や「高血圧」「不正出血」
「頭痛」「睡眠障害」などの体調の変化は、さまざまなものがあります。

更年期の始まりが要介護予防の始まり
要介護率は、80歳~84歳では約30%ですが85歳以上では約60%です。
要介護原因の上位には、第1位脳血管障害、第4位骨折・転倒がありますが、
これらに関わる重要な疾患は、脳梗塞・骨粗しょう症です。

女性の場合、動脈硬化や骨密度低下は更年期以後急に進行しますので、要介護の予防
の観点から最も重要な時期は50歳~60歳といえます。実際に要介護になる事が多いの
は80歳以後でも、その下地がつくられるのは50歳台なのです。

50台は、親の介護はしていても、自分が将来要介護になるという事にはなかなか意識
が行き難い世代ですが、「更年期の始まりが要介護予防の始まり」という意識をぜひ
持っていただきたいと私は考えています。

動脈硬化・骨粗しょう症予防検診
そこで50歳からの動脈硬化・骨粗しょう症予防検診として、頸動脈エコーによる
頸動脈プラークのチェック、腰椎と大腿
骨近位部の骨密度検査を推奨しています。
脳ドックで頭のMRI撮影はしていても頸動脈エコー検査はしていない方は多い
と思いますが、微細な頸動脈のプラークの発見にはMR撮影よりもエコー検査の
方がはるかに優れています。

脳ドックで頭のMRI撮影はしていても頸動脈エコー検査はしていない方は多いと思いますが、微細な頸動脈のプラークの発見にはMR撮影よりもエコー検査の方がはるかに優れています。 540588f521f00031bcdff8b8fb3bc5cf-320x243
 頸動脈エコー検査
DEXA法による腰椎・大腿骨近位部の2カ所測定が推奨されています。 DSCN0478
 骨密度測定検査(DEXA法)
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