Vol.101 2016.05.09 高齢者の栄養不良はがんや心臓病のリスク

65歳以上は食べすぎよりも栄養不良に注意
メタボリックシンドロームや肥満は、心臓病や糖尿病などの生活習慣病や血栓症による死亡リスクにつながります。そのため、食事に気を付けている中高年は多くおられます。しかし、65歳以上になると真逆で、食べ過ぎよりも栄養不良に注意した方が良いことが分かりました。

 高齢者の低栄養は、がんや心臓病の死亡リスクを高める
東京都内で開かれた「健康日本21推進フォーラム」の研究発表によると、「栄養の取り過ぎで心臓病死の危険性が高まる中年とは違い、高齢者では低栄養(栄養不良)の方が死亡リスクにより強く影響する」と強調。介護が必要な人を減らすための国の対策として、認知症やロコモティブシンドローム(ロコモ)の啓発に加え、高齢者の栄養不良を改善していく必要があると呼びかけました。

roujin_syokuji都内に住む65~84歳の996人・秋田県在住の65歳以上の940人の調査では、栄養状態を「BMI(肥満指数)」「血中アルブミン」「総コレステロール値」「ヘモグロビン値」の4つの指標で評価して4段階に分類したところ、いずれの指標でも最も低いグループで死亡リスクが最も高い結果でした。さらに、このうち1,033人のデータを分析したところ、栄養状態が「中程度」「高栄養」に比べ、「低栄養」でがんや心臓病などで死亡する人が多い結果でした。

また、「久山町研究」の分析結果では、「多様な食品を多めに食べる一方、コメやアルコールは控えめ」という食事パターンの高齢者で認知症を発症する危険性が低かったと紹介しています。いろいろな食品から栄養をしっかり取ることは、認知症の予防にもつながる可能性がありそうです。このほか、1日100~200グラムの牛乳や乳製品を取ることで、認知症リスクが3割低いことも報告しています。牛乳は高タンパク、低カロリーで、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルやビタミンも豊富に含まれ、効率良く栄養を取れるため、高齢者には積極的に飲んでほしいと説明しています。

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