Vol.97 2016.01.04 高コレステロールの治療薬とコエンザイムQ10

コエンザイムQ10とは
CoQ10は成人男性では約1.5g存在し、特に心臓、腎臓、脾臓に多く分布し、細胞内ではミトコンドリアに50%、核に30%、ミクロゾームに20%分布しています。

CoQ10の生理作用には、主に①エネルギー産生過程での電子伝達、②抗酸化作用があります。

私たちの細胞のミトコンドリアでは、1分子のブドウ糖から38分子の高エネルギー物質ATPを産生します。この反応に必須となる補酵素がCoQ10です。またCoQ10は脂溶性の抗酸化物質で、ビタミンE、ビタミンCなどとともに抗酸化ネットワークを構成し、活性酸素などのフリーラジカルから生体を守り、悪玉コレステロール(LDL)の酸化や動脈硬化を防いでいます。

CoQ10と高コレステロール血症の治療薬
体内に存在するCoQ10の量は加齢とともに減少します。

健康診断

CoQ10は生体内産生食事による外部摂取でまかなわれています。
食事からの摂取は穀物に含まれるCoQ9が主ですが、他にも大豆・クルミ・アーモンド・ほうれん草・魚肉などにも多く含まれています。しかし、100mgのCoQ10を摂るためには「イワシ」だと1.6kg必要で、特に50歳以上の方では食事からの摂取だけでは不十分です。

コレステロールは、肝臓で合成される内因性が約8割で、食事からの摂取は2割程度です。
高コレステロール血症の治療薬の多くはスタチン系です。
スタチン系の治療薬は肝臓での内因性コレステロールの合成を阻害します。この際、同時にCoQ10の体内合成も阻害するため、スタチン系の治療薬を内服されている方は注意が必要です。

50歳以上の方やスタチン系の薬を使用されている方は、サプリメントとして1日100mg程度のCoQ10補給が望まれます。

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