Vol.95 2015.11.02 アートな旅・東京庭園美術館

JR目黒駅から歩いて10分ほど、こんもりとした森が見えてきました。ここが美術館?ときょろきょろ。
庭園内は街の賑わいから想像もつかないほどの静けさです。なんだか異次元の世界に踏み入るような不思議な感じです。木々をわたる清々しい風に吹かれ歩みを進めると、こじんまりとした美術館が現われました。

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いかがでしょう。なんとも美しい佇まいです。庭園のみどりとの調和もみごと!もとは、朝香宮(あさかのみや)様の邸宅で、外観だけでなく、室内もアール・デコ様式で統一された日本でも数少ない貴重な建物です。

思わぬハプニングがアール・デコとの出会いに
1922年(大正12年)フランスに留学された朝香宮様は、パリ郊外をドライブ中に交通事故に遭遇。允子妃は重傷の夫を看護するために渡仏され、お二人は思いがけずフランスに長期滞在されることになりました。

おりしもフランスは装飾美術アール・デコの全盛期。パリ万国博覧会でその作品をご覧になり、深く感銘を受けらたご夫妻は、帰国後、1933年にアール・デコの粋をつくした邸宅を建てられたのです。現在は東京都が所有する美術館として一般に公開されています。

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美術館所蔵のオリジナルの家具や調度品等を用いて、
本来の邸宅としての空間の再現が試みられました
チケットもデザイン違いでお洒落です


装飾のすべてがコーディネイトされた美空間
編集人が訪れた日は、「アール・デコ邸宅美術館」展が開催中で、建築そのものと、コレクターたちが収集したアール・デコの名品(食器や調度品、ポスターなど)も同時に鑑賞することができました。

c09d2d7e9b408dd8c171d1a9ad2a9925442e80bf玄関、客室、食堂はもとより、若宮寝室など各部屋それぞれ、絵画、照明器具、調度品の細部にいたるまでコーディネイトされた内装、大きくは窓越しに見える庭の緑との調和までも計算された空間デザインは、ため息がでるほどの美しさです。
正面玄関ガラスレリーフ扉はフランスのガラス工芸家ルネ・ラリックの作品。床のモザイクは細かい天然石が敷き詰められ、デザインは宮内省内匠寮の技手が手がけたもので、その心意気が伝わってきます。

美術館では、展覧会のほか、体験型ワークショップもあります。お洒落なオリジナルグッズを販売するショップをのぞくのも楽しいですよ。

東京庭園美術館
http://www.teien-art-museum.ne.jp/

 

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ワークショップルーム・姫宮の部屋の照明器具を作ろう
展開図を組み立てると、こんなこんぺいとうのような可愛い形に仕上がります
アール・デコポスターの絵ハガキ

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美術館鑑賞の後は、みどりの庭園でのんびり

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