中性脂肪と脂肪酸
皮下脂肪や内臓脂肪のほとんどは中性脂肪です。そこで、多くの方は血中の中性脂肪が高いとか低いとかを気にかけておられます。確かに数値も大切ですが、ここでは「中性脂肪の質」について考えてみましょう。
中性脂肪の大半はトリグリセライド(TG)です。「トリ」とは「3つの」という接頭語で、グリセリンに3つの脂肪酸がついています。ですから、この脂肪酸の種類の違いで皮下や内臓の中性脂肪にも質の良いものと悪いものがあるのです。
脂肪の質
脂肪酸のなかでも「DHA」や「EPA」などは皆さんもよくご存じですね。とくにEPAは抗血小板作用があり、血液サラサラ効果が知られています。
アザラシや魚を主食とするグリーンランドイヌイットは、昔から心筋梗塞発症リスクが低いことが知られています。牛や豚などの肉食を中心とするデンマーク人と比較すると、イヌイットの心臓病による死亡率は7分の1と低くなっています。
ここで、牛肉とアラスカのアザラシの脂肪を比較してみると、アザラシの脂肪にはDHAやEPAなどのω-3系脂肪酸を多く含みますが、牛肉のω-3系脂肪酸の含有量はゼロです。これは、牛は草食・アザラシは魚食の違いです。
脂肪をとる量に大差はなくても、その質が健康に大きく影響していることは注目したいところです。
※「中性脂肪」ウィキペディアより
グリセリン脂肪酸エステルには、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド(TG)が存在するが、血液中に含まれる中性脂肪のほとんどはTGである。したがって、中性脂肪はTGと同義とする場合も多い。脂肪酸とグリセリンが結びついて中性を示すので「中性脂肪」と言う。
中性脂肪の成分である脂肪酸は動物においてはステアリン酸、パルミチン酸など飽和脂肪酸が主であり、動物性の中性脂肪は室温で固体であるものが多い。