Vol.86 2015.02.02 初春/文楽の楽しみ

日本橋に文楽劇場があるのは知ってはいても、敷居が高そう、お値段も高そう、と未体験ゾーンでした。
が、偶然、チケットをいただき、しかも初春公演ならば縁起もよさそう!と勇んで出かけました。

第一部、第二部とあるうち、今回は第二部を観る予定なので、開演(4時)前に、近くの法善寺横丁で
水かけ不動さんをお参り。みどりの苔に覆われ、しっぽりとぬれたお姿は凛々しく、誰が手向けるのか
いつも花が供えられています。

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軽く腹ごしらえをすませて劇場へ。ちなみに劇場のお隣は大阪の味、たこ焼き屋さんの屋台です。
そう思えば、のぼりをかかげた劇場も庶民の芝居小屋の雰囲気に見えて来ました。

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こちらが本日の演目。お値段も案外、お手頃!2等席だと、2400円です。

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新春にしては遅れをとりましたが、まだまだ初春気分。ほら、ご覧ください。
緞帳の上には縁起物の「にらみ鯛」にはさまれて「羊」の文字が見えます。

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【文楽ミニ講座】
人形浄瑠璃文楽は、人形を操る人形遣い3人と太夫と呼ばれる語り、優雅でせつない音色の三味線が一体となった総合芸術です。演目は、武家社会をあつかった「時代物」と町民生活に起こった事件や物語を題材にした「世話物」、能狂言、歌舞伎などから独立した、音楽的で舞踏の要素がつよい、華やかでスピーディーな小品「景事」があります。2008年ユネスコにより「無形文化財」に登録されています。

さて、客席にせり出した扉がぐるりと回転して太夫と三味線弾きが登場。いよいよはじまります。

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太夫は、ひとりで登場人物すべてをこなします。独特の抑揚とリズムで語り、なかなかの迫力。
しばし聞きほれてしまいました。語りの台詞は舞台上に字幕がでているのでとても分りやすいです。

三味線の音色は時に切なく、時に激しく、場面の臨場感を盛り立ててくれます。

そしてなんといっても人形がすごい!
頭と右手、左手、両足をそれぞれ別の人が操っているのですが、3人の動きがぴたりと合い、人形自体の顔は無表情なのに、細かいしぐさで感情がでて、太夫の語りと三味線が合わさると人形たちに魂が吹き込まれる感じです。 

 

一つ目の演目「日吉丸稚桜(ひよしまるわかきのさくら)」 は、時代物で人間関係が複雑?でやや退屈。太夫さんの気持ちのいい語りでウトウト。

二つ目の「冥土の飛脚(めいどのひきゃく)」は近松門左衛門の作品で多くの浄瑠璃や歌舞伎作品としても上演されてきた人気の演目です。忠兵衛さんが遊女、梅川を身請けするために、公金横領を重ねてしまい、故郷新口村(奈良!)へ逃げていく、といった内容。

鑑賞後の帰り道、あるご婦人(大阪のおばちゃんともいう)が「しょうもないなあ!あの男、なんや」と憤慨しておられましたが、確かに、近松門左衛門の描く男性はなんだか不甲斐ない気もします。でも、そんなダメ男に惹かれる女性はいつの時代もいるんですよね。朝の「まっさん」、月9ドラマ「デート」の長谷川博己もしかりです?

ともあれ、肩もこらず、初心者でも最高の舞台芸術を楽しめた文楽体験でした。
文楽を観て、黒門市場をのぞいて、難波で美味しいもの食べて。たまには、そんなオトナ女子の楽しみはいかがでしょう。

文楽の魅力に迫る!YOU TUBE
 https://www.youtube.com/watch?v=W_cP_nzb36U

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