40歳以上では子宮体がんが増加
子宮がんには、子宮の入り口にできる「頸がん」と、子宮の奥にできる「体がん」があって、両者はそれぞれ異なる組織から発生する別のがんです。
40歳以下では頸がんが多く、40歳以上、特に閉経後に多いのが体がんで、不正出血がある方は要注意です。食生活の欧米化にともない、体がん患者数は30年前の6倍以上に増え、現在全子宮がんの約50%が体がんです。ちなみに米国では、全子宮がんの約7割が体がんです。
子宮体がんのリスク
体がんの発がんには女性ホルモンが関連しており、体がんのリスク因子には、初潮が早い、閉経が遅い、肥満、慢性無排卵のほか、高血圧、糖尿病、乳がんまたは卵巣がんの既往などがあります。また、乳がんのホルモン療法をされている方は特に注意が必要です。
子宮体がんの検診
子宮体部から細胞をとり、顕微鏡で調べます。出産経験のない方や帝王切開の方などは、子宮頸部が狭いため、検診の際に多少の出血や痛みをともなう場合があります。これは検診をする医師がそうした痛みに対して充分に配慮をすることで、やわらげることができます。未熟な手技や乱暴な手技が、体がん検診に対する恐怖心へとつながっていることはとても残念なことです。
また、頸がん検診に比べて、細胞診の正診率(正しく診断する確率)がやや劣り、95%程度です。そのため、体がん検診には経膣超音波検査の併用も大切で、超音波で子宮内膜が厚い方や、細胞診で異常がみつかった方は、子宮内膜の組織検査をおこないます。