Vol.185 2023.05.08 ”フレイル” 高齢者の要介護予防

フレイルとは?
フレイルとは、加齢や疾患によって身体的・精神的なさまざまな機能が徐々に衰え、
心身のストレス脆弱になった状態のことです。
特に高齢者は、慢性疾患やがんなどさまざまな病気を抱えているケースが多く、心身機能の低下と相まって生活機能が落ちたり、心身の脆弱性が加速されたりする危険性が高いことが知られています。

一方で、フレイルは完全に介護が必要な状態ではなく、適切な生活改善や治療などを行っていくことで生活機能が以前の状態に改善する可能性があることが示されています。つまり、フレイルとは、健康な状態と介護が必要な状態との中間地点にある状態のことなのです。

フレイルが起こる3つの原因
フレイルを引き起こす原因は大きく3つあります。
身体的な面での原因としては、骨・関節・筋肉など運動機能に関わる器官の衰えが挙げられ、歩行や立ち座りなど日常生活を送るうえで必要な動作に支障をきたしている“ロコモ”と呼ばれる状態、筋肉量が減少するサルコペニアと呼ばれる状態などが含まれます。慢性疾患や多剤併用などがこれらを加速させ、運動量の低下や食欲減退から低栄養となり、筋力の低下を起こす悪循環が知られています。

一方、心や認知の面での原因としては加齢に伴う認知機能の低下や抑うつ気分などが挙げられ、家事や買い物などさまざまな場面で適切な行動・判断ができにくくなることなどが問題となります。
そして、社会性の面での原因としては社会的に孤立しがちになることで引きこもりや孤食(1人で食事をすること)などが挙げられます。
また、フレイルの特徴は、身体機能の衰えによって外出が億劫になることで引きこもりがちの生活になり、さらに身体機能や認知機能が低下することにもつながり、心身の機能がどんどん衰えていくという負のスパイラルに陥るのです。

65歳以上の高齢者が約30%の日本において、要介護状態に陥ることを
避けるためにも広く認識される必要があります。

Copyright © 2024 NAKANO SHIRO LADIES CLINIC ,all rights reserved.
〒631-0001 奈良県奈良市北登美ヶ丘5-2-1 / TEL:0742-51-0101 FAX:0742-51-0770