23.トリコモナス膣炎

Q:トリコモナス膣炎とはどんな病気でしょうか。
A:性行為感染症(STD)の一種で、トリコモナスという原虫が膣に感染することでおこります。

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Q:性行為以外でも感染することはありますか。
A:まれにトイレの便座や風呂場などで感染することがあります。

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Q:どんな症状が出ますか。
A:男性の場合、ほとんど自覚症状がなく知らずにパートナーにうつしてしまうことがあります。
女性の場合も症状の出方は様々で健康な時には初期症状が出ないこともあります。
主な症状には、外陰部のかゆみやおりものの異常、においのある黄色いおりものが増えるなどがあります。
症状がすすむと濃い黄色や緑っぽいおりものに、細かい泡が混じることもあります。
また、おりものが増えると外陰部がただれて、痛がゆく、排尿や入浴の時にしみたりします。

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Q:放っておくとどうなるのでしょう。
A:放っておくと原虫が膣の近くの尿道などにも増殖し、尿道炎や外陰炎がおこります。炎症がおこると膣の自浄作用が弱くなり、ほかの感染症も併発しやすくなります。
ときには不妊や子宮外妊娠の原因になることもあるので注意が必要です。

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Q:どんな診察をするのですか。
A:おりものを採取して検査、診断します。
診察を受ける前にビデなどで膣の中を洗浄するとおりものの検査に支障が出ることがありますので、洗浄のし過ぎには気をつけて下さい。

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Q:どんな治療をしますか。
A:再発を防ぐためには、パートナーといっしょに治療することが基本です。
内服薬を飲み、女性は膣の洗浄と膣坐薬も併用します。
かゆみなどは服用後、数日でおさまりますが、完治するには約2週間程かかります。
女性は非常に再発しやすい病気なので、治療後2〜4週の間隔をおいて再発の有無を検査する必要があります。

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Q:普段どんなことに気をつければいいでしょう。
A:セックスで感染するケースがほとんですから、予防にはコンドームをつけるしかありません。
おりものがあるのは成熟女性ではあたり前のことですが、においや色、状態に異常があれば早めに診察を受けて下さい。
おりものは生理周期や加齢によって変化します。体からのシグナルを見落とさないためにも、自分の健康な時のおりものの状態を知っておくことが大切です。

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