悪性腫瘍の栄養アプローチ

進行ガン患者の多くは、食欲不振や代謝異常、消化管通過障害などによる栄養障害を有しています。ガン患者は「ガンで死ぬのではなく、栄養欠損で死に至る」といっても過言ではありません。悪性腫瘍に対する様々な治療法は全て侵襲性が強いため、その栄養状態が治療の成否の鍵を握っていることは医療関係者も意識が低いようです。

ガン患者の栄養状態
ガン細胞は、無秩序に異常増殖を繰り返します。このガン増殖のエネルギーは嫌気性解糖に依存し大量にブドウ糖や貯蔵脂肪を消費し、さらにガン細胞は体外から栄養補給がなくても宿主の栄養を奪取して増殖するため、大量の血漿タンパクも消費します。
ガン患者は低栄養による造血機能の低下、赤血球寿命の短縮、血清鉄の減少などによる貧血、脱水、電解質異常なども多くみられます。

悪性腫瘍の栄養アプローチ
ガン細胞による血漿タンパク消費の増加に伴い低アルブミン血症が出現します。ガン患者のQL(生活の質)を保持するためには、できるだけ経口摂取によるタンパクを中心とした栄養補給が大切です。栄養状態のモニターマーカーとして、アルブミン、プレアルブミン(トランスレチン)、レチノール結合タンパク、トランスフェリンなどがあります。手術前にもタンパク補給による予備タンパクを充実させるべきでしょう。
また、ブドウ糖の消費に伴いB群を中心としたビタミンの需要も亢進するため、ビタミン類の補給も必要です。特に高カロリー輸液や化学療法時には、過剰な糖質補給などに伴いB群ビタミン欠乏に陥りやすく、結果乳酸アシドーシスや神経症状が出現します。さらに、活性酸素などに代表されるフリーラジカルも生じやすいため、ビタミンA、B、C、Eやグルタチオンなども補給する必要があります。また、放射線療法による消化管被爆の修復には、BCAAやグルタミンなどのアミノ酸、グルタチオン、核酸の補給も大切です。
また、最近ω6系脂肪酸によるガン増殖の危険性も指摘されており、EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)などのω3系脂肪酸の補給によるプロスタグランジン代謝の改善も有用と考えられます。
ガン患者の免疫能低下を防ぐために、食細胞やT細胞の機能を引き上げるβグルカン、白血球の機能維持に必要なビタミンA,ヘルパーT細胞やNK細胞の機能に関与するビタミンB群なども補給することが有用です。

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