伊勢へ七度 熊野へ三度 愛宕さんへは月参り
愛宕山は京都の西北にあり、東の比叡山より少し高い924m。
「伊勢へ七度 熊野へ三度 愛宕さんへは月参り」と詠われるように、京都の人には、とても馴染みの深い山です。
山道には京都の街が一望できるスポットもあり、登山者にも人気の山です。
でも「結構、階段がきついよ~」と脅され?励まされ?いざ、出発!
今回のルートは、京都駅出発→清滝→月輪寺→愛宕山神社、下山は表参道をおりて、清滝に戻るルートです。
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京都駅から1時間、清滝バス停に到着したのは午前9時頃。 まさか!数時間後、この場所であんな珍事件が起ころうとはまだ知る由もない編集隊でした…。 |
清滝川の清冽な流れ、瑞々しい山の緑、澄んだ空気。京都駅の賑わいがうそのような静けさです。 清滝川は伊勢の五十鈴川と同様に、愛宕さんに参る前に身を清める水垢離場(みずごりば)でした。 |
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愛宕山の登山口。 ここでルートが分かれます。表参道を行く登山者 |
編集隊はせせらぎが響くもう一方の 静かな道を選択。はじめは道幅の広いなだらかな道が続きます。 |
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このわき道を15分ほど登っていくと美しい「空也滝」が見られます。 今回は体力温存のため断念。 |
郵便屋さん発見!バイクを下りてここからは徒歩で配達するようです。 お着替え中、失礼しました。 |
深山を流れる谷瀬にもこうしてお地蔵様や水神様の化身である蛇や龍神が祀られています。山道には水場がいくつかあり、流れてくる水を汲んでのどを潤すことができます。この「お助け水」は夏でも枯れません。
挑発的な看板現る!
月輪寺こっちの標識から先は勾配もきつく険しい山道になり、しゃべる余裕もなく、ひーひー
「小休止!」を連発。水分補給をして、飴とムチならぬ、飴とチョコでパワーアップ。
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すると、こんな挑発的な?親切な?看板が… 一瞬たじろぐ編集隊。
「楽チンな方にしましょうか」の声に体育会系の血がさわいだ!
「若者道にきまっとる!」「落っこちても助けませんよ!」と念を押され、
えいや!と若者急坂をよじ登ったのです!
で、どうなったかというと、よじ登った坂はごく短く、しかもすぐ先で「一般」の道と合流していました。
ホッとするやら、拍子抜けするやら。
第一目標地点の月輪寺に到着。
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560m地点にひっそりと佇む月輪寺。 平安時代末期には、公卿の九条兼実が隠棲し、 法然上人や親鸞聖人も修行した地。 本堂前の時雨桜は、親鸞が別れを惜しみ植えたものといわれています。 |
境内の端にへんてこな木彫り人形が、 もっともらしく置かれていた。 その前には賽銭箱が…ご利益なさそう… |
山頂まであと一息と思ってしまったせいか、道のりは結構きびしい。
くじけそうになりながら登っていくと、山がひらけ素敵な風景に出会いました。
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京都市街が見渡せるスポット。お天気が良すぎてかすんでいますが絶景。 風も気持ちいい。 |
倒木の枝から、若木が命を繋いで 伸びています。たくましいですね。 |
念願の愛宕神社に到着
苦労して登ってきた者達をやさしく迎えてくれる大らかな包容力と、思わず手を合わせたくなる厳粛な雰囲気が漂います。来て良かった~!
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よちよち歩きのちびっこがお社の前で遊んでいました。お父さんが背負ってお参りに来たそうです。
お父さんエライ!
社務所で火難除けのお札と、愛宕神社の神の使い・いのししのお守りをいただきました。
愛宕山は、明治の神仏分離令までは、神仏習合の山でした。その名残りのひとつが、この黒門。ここからお寺の境内に入るという目印となる惣門です。編集隊は逆ルートをとったので、黒門をくぐり表参道を下山して行きます。下り坂はリズムよく、スタスタ下るのが良いそうで、膝への負担が軽くなります。
一の鳥居を基点として五十丁(約5.5km)まである表参道沿いに、一丁ごとに素朴な地蔵様と板碑が並んでいます。参詣者は、お地蔵様に刻まれた数字を見て、いまどのあたりまで登ってきたか知ることができました。
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延々と続く階段を下ること1時間半ほど。清滝川の水音が聞こえてきた時の嬉しかったこと!
無事に鳥居にゴール!安堵感と同時にもう一度来たい!
まさかの珍事件発生!
山頂でのんびりし過ぎたこともあり、陽は傾きかけています。
清滝のバス停に停車していたバスに飛び乗ると、ほどなく出発。なんてタイミングがいいのだ!
と、喜んだのもつかの間。しばらく走った車窓から見える嵐山の風景にがくぜん!
「え!嵐山?が~ん!往きと道が違う!」
そうです。行き先を確かめずに乗車してしまった私たちは京都駅に戻るはずが、阪急嵐山駅に… とほほ
賢明な皆様は、こんなドジは踏まないでしょうが念のため、バスの行き先は必ず確かめてからご乗車ください。
ご利益とパワーがスゴイ!「千日詣」
7月31日から8月1日にお参りすると、千日分のご利益あるとされることから「千日詣」とよばれています。
また3歳までの幼児がこの日にお参りすると、一生大難にあわないとされ、幼子を背負ったお父さんが険しい山道を登る姿も見られます。
千日詣の日は、「おのぼりやす」「おくだりやす」の声をかけあうのだそうです。