★ 若年層に「骨粗しょう症予備軍」が増加
骨は20歳代まではどんどん成長し、30歳前後にピークを迎えます。この大切な時期に、きちんと食事や運動をしてじょうぶな骨を育てておく必要があります。30~40歳代では、骨量を維持しながらも少しずつ減少して、50歳位(閉経)から1急減していきます。
最近では、極端なダイエットや偏食などにより、若者の骨粗しょう症予備軍が増え、将来に大きなつけが残される心配があります。
★ 骨密度・若年平均より「3割少なくなると骨粗しょう症」
骨密度は体の部位によって違います。前腕やかかとなど、簡易な測定では、充分に骨の状態はわかりません。
腰椎と大腿骨頸部(大腿骨と股関節をつなぐ部分)の2箇所を測定しておきましょう。
骨密度は、若年平均骨密度=YAM(22~44歳の方の平均値)を100%としたときの比較です。
これよりも2割減ると骨量減少の危険域、3割減ると骨粗しょう症と診断します。
下記のグラフは、中野司朗レディースクリニックの測定データです。
開院以来、1837名の方が測定されています。
50代から骨量減少が増加し、骨粗鬆症+骨量減少の方は40%を超えています。
60代からは骨粗鬆症が増加し、骨粗鬆症+骨量減少の方は70%にせまっています。
50代で骨量減少の方が60代になると骨粗鬆症に移行していくと推測されます。
つまり、50代の骨量の維持が重要で、とりわけ運動が大切です。
50歳での骨密度測定(リスクの高い人は45歳)は、将来の骨祖鬆症・骨折による寝たきり予防に
大変重要と理解してください。
★「 骨を強くする運動」をしよう
若い頃に骨貯金ができているのがベストですが、いまからでも「食事+運動」を少しずつでも積み重ねて、
骨密度の減少が緩やかになるように心がけましょう。
運動は骨に負荷がかかる程度のウォーキングがお薦めです。かかとから着地することを意識して1時間ほど。
最初は、短い時間のウォーキングでもOKです。慣れてきたら、階段の上り下りもコースにいれるとより効果的です。骨粗しょう症と診断された場合は、お薬などの治療も検討していきましょう。