尿もれ
尿もれで悩んでいる方は思いのほか多く、1000万人以上との推定もあります。
尿もれは、思いもよらない時や場所で自分の意思とは関係なくおこります。相談できずに一人で悩んでいる方も多く、周囲の理解も得られないのが現状で、外出や旅行がおっくうになったり、人つき合いも悪くなってしまいます。
●尿もれの原因
尿もれには、腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁:過活動性膀胱の
2つがあります。
腹圧性尿失禁は、加齢や肥満、出産などで、骨盤の底にある「骨盤底筋」の緩みが原因です。
骨盤底筋が緩んだ方は、くしゃみをしたり、排便で力んだり、重いものを持ったりする際に
膀胱が下がり、同時に尿道が開いてしまいます。
また、切迫性尿失禁:過活動性膀胱は、水の音を聞いた時や排尿後すぐに尿意を感じたり、
何の前触れもなく激しい尿意に襲われ頻尿や尿漏れ伴います。多くは明らかな原因は不明です。
●尿もれの治療
治療は、自分でできるエクササイズと薬物治療、手術療法があります。
○腹圧性尿失禁に有効な骨盤底筋体操を紹介します。
腟と肛門の周りの筋肉を締め、お腹の中に引っ張り上げるように行います。
1.速い動き(2秒締めて4秒休める)を5回繰り返す。
2.遅い動き(5秒締めて10秒休める)を5回繰り返す。
以上が1セットで、椅子に座って、立つ姿勢で、寝る姿勢で、それぞれのポーズを組み合わせて、
目標は1日10セットです。コツは、骨盤底筋以外の筋肉、太ももやお尻には力が入らないようにすることです。
○切迫性尿失禁:過活動性膀胱の治療には、選択的β3アドレナリン受容体作動剤や抗コリン剤が有用です。