Vol.127 2018.07.02 昭和レトロな銭湯『一乃湯』

初夏のとある日、ぶらりと日帰りドライブへ出かけました。お目当ては銭湯「一乃湯」です。

和束町(京都府相楽郡) ~ 信楽 ~ 伊賀上野 ~ 南山城
和束町の美しい茶畑を眺め、深緑の山道をのんびり走って1時間ほどで信楽に到着。
酒瓶をぶら下げたひょうきんな狸が並ぶ信楽焼き店をのぞいた後は、道の駅「あいの土山」
(滋賀県甲賀市 土山町)でランチ。

伊賀上野にある銭湯「一乃湯」に着いたのは、開店まもなくの午後3時過ぎでした。

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ご覧のとおり、懐かしい赤ポストもマッチしたとてもレトロな佇まいです。
創業(昭和25年)当時のままのネオンサインは今も現役で、夕暮れ時になると
赤い温泉マークに一乃湯の文字が浮かび上がります。

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駐車場横の看板も座頭市(!)の映画ポスターとキンチョールです。

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1926年(大正15年)に建てられた唐破風屋根の本館は、石柱門と共に国の登録有形文化財に指定されている貴重な建造物です。正面のアンティークランプが灯ると、湯の準備完了の合図です。

おや?!
もう一番風呂を終えたのでしょうか、青のれんから5歳位の女の子が顔を覗かせて、辺りで遊びはじめました。
「おーい、○ちゃん」
と、続いて若いお父さんが赤ちゃんを抱いて表れ、最後に洗いたての髪もそのままに、お母さんがニコニコ顔で合流。
しゃぼんの匂いが香る若夫婦は、軽く会釈をして帰って行かれました。

一乃湯では落語やいろいろなイベントも開いており、通りには町屋を改装したレストランほかもオープンして、若い世代も集まってきているようです。

さて、いよいよ銭湯へ。入口で番台のおじさんに400円を払います。
「石けんありますか?」
と声をかけてもらい、50円で小さな石けんをゲットしました。

番台と脱衣場には仕切りがあって見えないように工夫されています。
ちょうど、どなたもおられなかったので、脱衣場にある休憩用ソファーと本棚をカシャッ。
なかなかイイ雰囲気でしょう?風呂上りにゆっくり本を楽しむことができます。
この本のセレクトがシブくてナイスです。

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脱衣場も寅さんのポスターやおかま型のドライヤー、アンティークなラジオなどなど、
レアな昭和グッズがいっぱい。タイムスリップしたような、やさしく包み込んでくれるような温もりを感じます。

お湯にとっぷりつかると思わず
「はぁ~、ゴクラク、ゴクラク…」
湯場はさほど広くはなくこじんまりとしていますが、熱め、ぬるめ、よもぎ湯、電気風呂、水風呂などもあり、あれこれ入ってみたくなります。
もちろん、洗面器は黄色いケロリン、壁は富士山です。

まだ日が高いうちでしたが、おばあちゃん達がぞくぞくとやってきて、脱衣場もお風呂も社交場になります。

「こんにちは~」
「あっこのお医者さんは若こうて元気やな~」
「いや、その服ようにおてるで~」
どの人も笑顔で実に楽しそうです。

帰り際には、一見の私にも
「どなたさんか、さいなら」
とニコニコ顔で挨拶をしてくれました。
なんだかね。ふくふく幸せな気分で帰路につきました。

 昭和レトロ銭湯 一乃湯
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