Vol.182 2023.02.06 骨密度測定における部位選択の重要性

骨粗鬆症による要介護の現状
大腿骨近位部骨折
は今や日本人女性の約6人に1人が発症し、脊柱の圧迫骨折はさらに多く見られます。そして、骨関節疾患は女性の要介護原因の第3位です。費用面では、大腿骨頸部骨折を生じて要介護になると初年度で4~5百万、次年度以後は年間250万程度が本人+公的資金の負担になります。今後の医療費の増大を考えると、骨粗鬆症の予防は非常に重要なポイントです。



測定部位で骨密度は異なる
現在の骨密度測定の問題点は、骨密度の測定部位と方法が多様過ぎて、骨粗鬆症予防の役割をはたしていない点です。「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン」の中で、「骨密度測定は腰椎と大腿骨近位部の2カ所をDXA法による測定が望ましい」とされています。しかし現状では、橈骨(手首)や踵骨(かかと)の測定方法が検診に多く採用されています。

上記の図表は、当クリニックにおける1837名の骨密度測定の結果ですが、腰椎と大腿骨近位部の測定結果を比較しても、腰椎のみの異常は79名に対して大腿骨近位部のみの異常は369名、腰椎と大腿骨近位部両方の異常は301名です。

つまり、大腿骨近位部の測定がより重要です。

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