1. 性器出血

性器出血の原因には、(1)子宮や膣の腫瘍によるもの、(2)子宮内膜炎や膣炎・外陰炎など炎症によるもの、(3)切迫流産や子宮外妊娠など妊娠によるも の、(4)排卵出血や卵巣機能不全など女性ホルモンに関連したもの、(5)萎縮性膣炎と呼ばれる一種の老化現象、などが考えられます。

上記のうち排卵出血や萎縮性膣炎による出血などは、病的なものではなく治療の必要はありません。ところが、クラミジア感染症や淋病などの性行為感染症 (STD)にともなう炎症は放置すれば不妊症の原因となりますし、子宮がんは命に関わります。いずれにしても性器出血を放置せずに正しい原因を知ることが 大切です。

性器出血の原因

(1)腫瘍によるもの
子宮筋腫子宮がん子宮頸管ポリープ、まれには膣・外陰がんなどがあります。

(2)炎症によるもの
クラミジアや淋菌、トリコモナスなどの性行為感染症(STD)や、避妊用リング使用や不潔な性行為などにともなう細菌感染が原因になります。
( クリニックの診療内容 “性行為感染症” 参考)

(3)妊娠によるもの
妊娠可能な女性で忘れてならないのは妊娠にともなう出血です。妊娠初期には切迫流産や子宮外妊娠、胞状奇胎などの不正出血があります。

(4)女性ホルモンに関連したもの
性成熟期に排卵時におこる中間期出血は、女性ホルモン濃度の急激な変化によっておこります。治療の必要はありません。
卵巣機能不全にともなう性器出血は、生理周期が確立していない思春期や排卵機構が乱れる更年期に多く起こります。またストレスやダイエットによる急激な体重の変化も原因となります。

(5)萎縮性膣炎によるもの
更年期を過ぎると、女性ホルモン(エストロゲン)が減少するため膣や外陰部の粘膜が薄くなり軽い炎症・少量の性器出血を繰り返し起こす女性が少なくありま せん。症状が軽ければ治療の必要はありませんが、痛みや性交障害・尿失禁などをともなえばホルモン剤や漢方薬を用います。

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