11.乳がん

Q:どんな病気ですか。
A:乳がんは乳腺にできるがんで、近年、その発生率が急激増加しています。日本人の発病率は世界的にはまだ少ない方ですが、約日本人女性の23人に1人が乳がんになります。40歳、50歳代に最も多く発生し、65歳以下の働き世代のがんで一番多いのが乳がんです。

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Q:考えられる原因はなんでしょうか。
A:はっきりとした原因はまだわかっていませんが、食生活の欧米化(動物性脂肪の過剰摂取や肥満)が要因の一つとしてあげられます。また、女性ホルモンや遺伝もかかわっていると考えられ、家族に乳がんにかかった人がいる方は注意が必要です。

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Q:どんな症状がでますか。
A:乳房にしこりを感じるのが最初の自覚症状です。

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Q:自己検診はどうすればいいですか。
A:乳がんは自分で発見できる唯一のがんです。2cm以下のしこりであれば、90%近くは治りますので、ぜひ日常生活の中で自己検診をする習慣をつけてください。

自己検診法は
乳房の形や大きさを、両手を上げたとき下げたときで観察します。
入浴時に石鹸をつけてすべりをよくし、4本の指をそろえて指の腹の部分で乳房の周囲を円を描くように軽く触れて、しこりが無いか確かめます。
わきの下に深く指先をいれて、しこりが無いか確かめます。
また、乳首から異常分秘物がないか調べます。

もし、異常に気づいたら、自分で判断せずに必ず専門医の診察を受けてください。また、30才を過ぎたら年に一度は病院で乳がん検診を受けてください。

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Q:自己検診をするタイミングはいつ頃がいいでしょう。
A:生理のある方は生理が終わってすぐにします。この時期は黄体ホルモンの量が少なく乳腺が柔らかいので、小さなしこりでも見つけやすいためです。閉経後の方も毎月1回、日を決めて行ってください。

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Q:病院ではどんな検査をしますか。
A:当クリニックの検診では乳房の触診と乳腺エコー検査を全例行います。また、マンモグラフィーという放射線を用いた画像診断は50歳以上の方には特に有用です。
その他、細胞や組織を採取したり、乳房のMRI検査なども行われています。

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Q:どんな治療法がありますか。
A:できれば乳房を切除せずに治したいと願うのは女性として自然なことです。そこで、現在は早期で見つかった乳がん(2cm以内の腫瘤)で他に転移がない 場合、乳房を温存する手術が主流となっています。ただし、乳房にがんが残る可能性や転移の可能性もあるので、温存手術を行うかどうかは慎重に判断する必要 があります。病巣の進行度(リンパ節および遠隔転移など)、腫瘍の種類、、全身の状態、年令によって、放射線や化学療法、ホルモン療法などを併用する場合 もあります。

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