10.生理の異常

Q:クリニックにも生理の異常で来院される患者さんが多いですね。
A:そうですね。10〜20代の若い人と40才以降の方に大別されます。生理異常の症状の中でも多いのが、無月経などの生理不順です。無月経には18才に なっても初潮のない、原発性無月経と初経以降、順調だった生理が妊娠をしていないのに3ヶ月以上もない状態が続く、続発性無月経があります。ただし、初潮 から2〜3年は卵巣やホルモンの働きが未熟なために、生理のリズムが乱れることがあります。

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Q:原発性無月経の原因はなんでしょうか。
A:性染色体の異常、膣や子宮などの性器に異常がある場合や視床下部、下垂体、卵巣の機能不全などが考えられます。15才を過ぎて初潮がない時は早めに診察を受けてください。

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Q:続発性無月経がおこる原因はなんでしょうか。
A:生活環境の変化や過労、といった精神的なストレスや過度のスポーツでひきおこされる肉体的なストレス、急激な体重の増減などによって女性ホルモンのバ ランスがくずれておこります。若い女性に多い無理なダイエットは特に注意が必要です。1ヶ月に5㎏以上体重が減ると、生理のリズムを調節する視床下部が正 常に働かなくなり、無月経がおこります。また、卵巣の機能が低下する閉経前の女性もホルモンバランスの乱れから、生理不順や無月経がおこります。

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Q:無月経をほっておくとどうなるのでしょうか。
A:エストロゲン(卵胞ホルモン)は女性のからだを守る大切なホルモンです。この分泌量が減ると様々な病気がおこりますが、とくに前回お話した骨粗しょう 症に深く関係します。骨密度が減って老化が早くすすみ、また、若くして更年期の症状がでることもあります。さらに、6ヶ月以上生理がなければ、子宮萎縮の 可能性もあり、不妊症の原因にもなり、治療も難しくなります。

また、エストロゲンは髪のつややかさやしっとりとした肌、丸みを帯びた女性らしいからだなどをつくる大切なホルモンです。ダイエットで女性らしい美しさを失くしてしまうのでは本末転倒ですね。

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Q:どんな治療をするのですか。
A:まず、子宮筋腫や内膜症の有無や卵巣の機能に異常がないかといった器質的なチェックをします。40才以上の方は子宮がんのチェックもします。血液検査でホルモンバランスに異常がないかを確認するほか、基礎体温表をつけていただき、排卵があるかどうかを調べます。

治療法としては、無月経の他に疾患があれば、まず、その治療が必要です。ダイエットなどの誘因があれば、それらを取り除き、ホルモン剤または漢方薬をつ かって治療します。軽い場合はすぐに順調な生理が回復します。無月経を長くほっておくと、視床下部から下垂体、卵巣、子宮への反応が鈍くなっているので、 ホルモン剤をつかっても生理を引き起こせなくなります。早めの受診と治療が大切です。

精神的なストレスにはアロマセラピーなどを生活に取り入れてみるなど、リラックスできる環境を自分で工夫してみるのも一法ですね。

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