6.卵巣腫瘍

Q:どんな病気ですか。
A:卵巣は、女性ホルモンを分泌する臓器で、腫瘍のできやすいところです。卵巣腫瘍の種類は多く、性質は複雑です。生命には危険がない良性腫瘍と、生命に 危険が及ぶ悪性腫瘍(がん)、両者の中間に位置する中間群に分類されます。卵巣腫瘍は10代からできることがあります。悪性腫瘍も若年者にできるタイプも あるため注意が必要です。40歳から悪性腫瘍は増えて、閉経後はさらにリスクが高くなりますから、生理があがったから卵巣は関係ないと考えないでくださ い。

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Q:どんな症状がでますか。
A:腫瘍が卵大になるまでは、ほとんど症状がありません。これが悪性の腫瘍の早期発見を遅らせる要因の一つです。腫瘍自体が痛むことはありませんが、大き くなると腹部の膨満感や圧迫感があり、下腹部の痛み、腰痛、便秘などの症状がでることがあります。また、卵巣が根元からねじれてしまう茎捻転を起こしたと きには、突然はげしい腹痛があります。

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Q:検診で発見できますか。
A:卵巣がんの検診はまだ一般的ではありませんが、膣からの超音波(エコー)検査で容易にみつかります。
また、腫瘍マーカー(血液検査)で卵巣腫瘍がみつかる場合もありますが、初期には腫瘍マーカーの数値は高くなりませんから、あくまで補助的な検査と考えてください。
ただ、卵巣がんは多くの種類があって、中には2−3ヶ月で進行がんになってしまうことがあります。少なくとも年1回の検診はうけてください。
子宮がん検診のさいには、必ず経膣超音波検査で卵巣のチェックをしてもらってください。

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Q:原因はなにですか。
A:はっきりとした原因はわかっていません。未婚の人や妊娠、出産の経験のない人に発生しやすいともいわれています。その他のリスク因子としては、長期の 卵巣機能異常、動物性脂肪の多量摂取、1日15本以上の喫煙習慣、家族に卵巣がん、乳がん、大腸がんの人がいるなどがあげられています。

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Q:良性か悪性かの診断はどのようにされますか。
A:超音波やCTスキャン、MRIなどの画像診断や腫瘍マーカー(血液検査)で詳しく調べます。これらの検査を総合的にみて診断をしますが、確定診断は手術した後(または手術中に)細胞や組織の検査をしなければわかりません。

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Q:どんな治療法がありますか。
A:6cm以下の小さい腫瘍で、検査により良性の可能性が高い場合は手術をせずに様子をみます。自然に消えてしまうこともありますが、定期的に受診してください。
大きいものや悪性と疑われるものは摘出手術をします。良性の腫瘍は、開腹せずに腹腔鏡手術が可能です。腹腔鏡手術では数日以内の入院ですみます。

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