プラセンタ療法

「プラセンタ療法」とは、胎盤から抽出された有効成分のエキス「プラセンタ(胎盤エキス)」を用いて、さまざまな疾患や体調不良、不定愁訴の治療を行うことを言います。
その歴史から副作用に至るまで、以下に詳しくまとめました。

プラセンタ療法の歴史

古くは、古代ギリシャのヒポクラテスが治療に用いたという説もあるプラセンタ。

近年では、1930年代に旧ソ連でプラセンタの「組織療法」(滅菌処理した胎盤を皮下に埋め込む)がスタートしました。これが発展し、日本では1956年にプラセンタエキスの注射液「メルスモン」(メルスモン製薬会社製造)が厚生省(現厚生労働省)から医薬品認定を受け、更年期障害と乳汁分泌不全の治療に使用され始めました。

1959年には、肝硬変適用の医薬品としてプラセンタ注射液「ラエンネック」(株式会社ラエンネック製造。現在は株式会社日本生物製剤が受け継ぐ)が誕生。その後、総合的な肝機能改善の治療薬として認可されています。

プラセンタ療法の薬理作用とは

日本胎盤臨床医学会によると、プラセンタには以下に挙げた20の薬理作用があるとされています。

1.礎代謝向上作用 2.細胞活性化作用 3.呼吸促進作用 4.血行促進作用 5.造血作用 6.労回復作用 7.血圧調節作用 8.自律神経調節作用 9.ホルモン調整作用 10.免疫強化作用 11.活性酸素除去作用 12.抗突然変異作用 13.創傷回復促進作用 14.抗炎症作用 15.抗アレルギー作用 16.体質改善作用 17.強肝・解毒作用 18.妊婦の乳汁分泌促進作用 19.食欲増進作用 20.精神安定作用

これらのうち、肝疾患・更年期障害・乳汁分泌不全のプラセンタ療法は、健康保険適用となります。

以下のような目的では健康保険適用外で自費診療となりますが、プラセンタ療法によって効果が期待できるとされています。

  • 美白、シミ、シワ、くすみ、乾燥肌など美容効果
  • アトピー性皮膚炎、花粉症、気管支喘息などのアレルギー改善
  • 生理不順、生理痛、便秘、冷え性など女性特有の症状の緩和
  • 肩こり、腰痛、ひざ痛などの整形外科的効果
  • 自律神経失調症、不眠症など心療内科的効果
  • そのほか、疲労回復、免疫力向上、健康維持

投与方法は注射と内服の2種類

医療機関で行われるプラセンタ療法には、注射と内服(経口摂取)の2種類があります。

医療用として使えるプラセンタ注射液は、「メルスモン」「ラエンネック」の2種類に限定され、どちらも人の胎盤から抽出したプラセンタが原料となっています。この「ヒトプラセンタ」の使用は、医療機関でしか認められていません。

同様に、「ヒトプラセンタ」の内服薬も医療機関限定で、錠剤2カプセルに注射薬1本分のプラセンタ成分が含まれています。

症状にもよるので一概には言えませんが、注射の場合、一般的には初期療法として最初の1~2ヶ月は週1~2回の投与が効果的とされています。その後、維持療法として1~2週間に1回の投与が目安となっています。頻繁に通院するのが難しい場合は、内服薬が処方されます。

医療機関によっては、「ヒトプラセンタ」の錠剤よりもお手ごろ価格のブタプラセンタを使ったサプリメント(健康食品)を取り扱うところもあります。

プラセンタ療法の副作用は?

プラセンタ注射の歴史は60年近くになりますが、その間に重大な副作用が起こったという報告はありません。

インフルエンザワクチン摂取時と同様に、注射部位の発疹やかゆみ、内出血、上腕部のだるさなどが起こる場合はありますが、数日でおさまります。

ただし、これは「皮下および筋肉注射において」という適切な使用下でのデータです。プラセンタ注射は、皮下注射や筋肉注射(ツボ注射を含む)のほかに、医師の判断に基づいて静脈注射や点滴注射なども行われていますが、これらは安全性の根拠が得られていないため、禁止している医療機関も多くあります。

また、2006年以降、ヒトプラセンタ注射の経験者は献血ができなくなりました。これは、牛海綿状脳症(狂牛病)との関連性が指摘されたvCJD(変異型クロイツフェルト・ヤコブ病)の検査方法が確率していないため、「感染リスクは極めて低い」としながらも、念のための暫定処置として厚生労働省が通達したものです。

 

 

 

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